【豆知識01】 フェルトっていつごろから始まったの?
■フェルトの歴史にまつわる逸話 「僧侶のサンダル」
 ある日フランスの僧が新しいサンダルを履いて長い旅に出ました。
ほどなくして僧は足に痛みを感じ始めたので、歩きながら岩や小枝に絡まった羊毛を拾い集め始めました。
時には直接羊の背中から失敬することもあったかも知れません。
僧はそれらの羊毛を履物の中に敷き詰めていきました。
数日後、目的地に着いたその僧は、フワフワの羊毛が、まるで奇跡が起きたかのようにより合わされ、強く丈夫でしかも快適な生地に生まれ変わっていることを発見したのです。
これは中世の話とされていますが、今でもフランスでは、毎年11月23日の聖クレメントの日になると、この僧を帽子やの守護聖人として崇めています。似たような話は中東にも残されていますが、こちらはサンダルに敷き詰められたのは柔らかいラクダの毛でした。
■フェルトの歴史にまつわる逸話 「ノアの箱舟」
 40日40夜降り続く豪雨と、破局的な洪水の警告を受けたノアは、神の忠告にしたがい急いで箱船を造り、さまざまな動物たちをつがいで集めました。ノアは動物たちを気遣い、木で出来た船の床に羊毛を敷き詰めました。
長い航海の間、動物たちには充分な食料がなく、羊は毛を落とすこともありました。旅が終わった後、ノアは床の羊毛がもつれ合い絡まりあって、文字通りひとつながりのカーペットとなっているのを発見したのです。
実際この聖書の中の物語は、フェルト作りの過程を性格に描写するものとなっています。箱舟の中は羊毛に変化を満たしていたと想像されるのです。暖かくて、尿酸と汗が羊毛を湿らし、箱船の中に閉じ困られた動物たちは羊毛を繰り返し足で踏みならしていたのですから。
疑いなくフェルトは、このような伝説が広まるずっと前から流通していました。しかしこれらの伝説は、人々が環境に対処する術として、いかにしてフェルトを使用するようになったかとういう疑問に対して、一条の光を投げかけるものです。歴史家は、「フェルトは人類が皮革と毛皮の次に体を包むのに用いたもので、人間の手によって作られたものとしては最古の生地である」と言っています。
【出典:フェルトメーキング ウールマジック/ジョリー・ジョンソン著】
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